阪神淡路大震災30年
- 她他后敬子(たたうしろ すきこ)
- 1月11日
- 読了時間: 5分
更新日:1月12日
今月は神戸で行っている場所【1.17希望の灯り】は慰霊に来られる方が多いでしょうから、マイクを使って邪魔になってはいけないので姫路開催 にしました。
今月17日は阪神淡路大震災から30年ということで、フラワーデモ神戸を始められた正井さんの話からさせてください。
私は日本で震災における性暴力を大々的に取り扱った初めての人ではないかと思っています。
阪神淡路大震災では31万人が避難所生活をされました。

<moaruの写真より>
正井さんは女性の声を聞くためにホットラインを立ち上げました。
避難所の性暴力や、震災後の家庭内暴力DVの酷さについて聞くようになり、本を執筆され、震災後の性暴力の存在を知らせました。
東日本大震災の時には47万人が避難所生活をされ、テレビでは避難所の性暴力がクローズアップされて私はその報道を見ました。
阪神淡路大震災の時は多くの人が震災の性暴力を知ることがなかったでしょうが、東日本ではテレビで取り上げられました。
これは阪神淡路大震災の正井さんの行動があったからだと思っています。
正井さんの当時の本に、
避難所では大勢が雑魚寝の中、男性が※「あ~してえ」と大きな声でいうこと等が書かれていました。
※「セックスしたい」という意味です。
もしかしたら、震災で女性を買いに行けないという意味もあるかもしれません。
もちろん子どもも避難所には大勢います。
東日本大震災のテレビでは、女性を助けたお年寄りの男性が、その女性に性行為を求め女性は断れなかったという報道がされました。
被害者と加害者が仮設で隣近所で暮らさなくてはいけないこともあります。
震災やコロナなど、1つの場所にとどまらないといけない状況になると性暴力や家庭内暴力や虐待が多発します。
より弱いものが犠牲になるということです。
日本の女性は性暴力の加害者よりは圧倒的に被害者になりやすく(加害者の95%は男性)、自分の子どもの虐待者には男性より女性の方がなりやすいです。
これは日本女性が圧倒的に育児や介護を担っているために日本では加害者が女性に偏るということを近年、女性弁護士が問題提起しています。
男性が参加している場合でも、女性側がしつけなどの責任を負っていたり、追っていると考えてしまうからだとも考えられます。
話はかわりますが、20年前に参加した性暴力加害者のためのシンポジウムでは、人間が性暴力やDV被害を受けづらい状況をつくるためには孤立化しないことだと考えると日本の女性の博士が話していました。
この教授はたくさんの生物を研究している博士で、他の霊長類や人間でいうレイプという形態でのみ繁殖している種とそうでない種を見比べてそう考えるということでした。
例えば、チンパンジーは他の猿と違って個で生活しているため(1頭ずつで生活しているため)、毎回レイプという状況である。
ヤドカリなど他の生物でも大きな力のある性が、もう片方の性を強引に抑えつけることにより性交を果たすという交尾形態をもつ種が結構いるということでした。
これはオスに限らず力のある性が抑えつけることができるということだと私は解釈しています。
霊長類でその形態をとっているのがチンパンジーであり、チンパンジーは群れではなく、個で生活しているため、オスのチンパンジーがメスのチンパンジーと遭遇するとそうなるということでした。
他の猿の種類は1頭ずつで生活してはいないため、ほかの種類の猿はレイプという形態をとらなくてすんでいるのではないかと、この博士は考えていました。
だから、孤立化しないことが性暴力化を防ぐと推測されます。
この当時、日本では性暴力にあったら、被害者本人が告訴をしないといけないという親告罪でした。
世界の主流は、声を上げるほうが圧倒的に声を上げないよりは圧倒的に良いという流れです。
声をあげない・あげられない被害者が悪いと言っているのではなく、世界の主流は声を上げない方が圧倒的に不利であるということを日本は知る必要がありそうです。
今から8年前の2017年110年ぶりに性犯罪の規定は改正され、親告罪は非親告罪になりました。私の被害から14年後のことです。
110年変わらなかったわけですから、それまでの被害者がどれほど孤独に絶望と闘っていたか想像してください。
現在、 被害者本人の訴えがなくても、検察官の判断で起訴が出来ます。
ただ、大阪元検事正や裁判官が言った言葉を見れば明らかなように、日本の多くの検察官、裁判官、弁護士の女性や性暴力への認識は、世界から見てあまりにも稚拙で酷い状況にあります。
そのため、フラワーデモでは検察官・裁判官・弁護士に道徳や女性に対しての教育をと声をあげる人もいます。
話をもどしますが、30年前、神戸で女性ホットラインを立ち上げた正井さんと、そこに電話した人たち。
それはどちらも本当にカッコいいことです。
ただ、もっと大事なことは、世界では個人が行うカッコイイことではなく、国の仕事であるということです。
正井さんたちは今も困っている女性や貧困女性、若年女性の現状や、あらゆる困っている女性の住む場所を確保するためにどうして国が動かないのかと議員たちを招いて直接問いかけています。
Colaboも若年貧困女性の住む場所確保のために活動していたのに、東京都は支援を打ち切ってしまいました。
昨年の11月末に私も全国シェルターネットの進歩に参加してみましたが、400人の人が参加していました。
日本の女性の現状に真剣に取り組んでいる人、特に怒っている人が目に見えること、増えていることを嬉しく思っています。
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