不同意性交等罪について
- 她他后敬子(たたうしろ すきこ)
- 2023年9月11日
- 読了時間: 11分
更新日:2023年9月12日
2023/09/11
本日、9月11日、フラワーデモ神戸は大雨でしたが、無事に終わりました。
8月のフラワーデモ神戸の話し合いでは、【7月の改正を受けて フラワーデモとして、この改正をどう考えているかを発表した方が良いのではないか】という意見がありました。
7月9日のフラワーデモ神戸でメディアの前でIが話した内容を、一応ここに記録しておきます。
<法律の改定>
【強制性交罪から、不同意性交罪に罪名が変更】
【暴行・脅迫・控除不能要件の撤廃】
【性交同意年齢が13歳から16歳に引き上げ】
【公訴時効5年延長】
【撮影罪】【性的面会要求罪(グルーミング罪)】創設
【身体の一部や物の挿入も性交扱い】

取材で話した内容
<良かった点>
【No means No】【YesのみがYes】という 人権が配慮された国々では当たり前だが、日本では認知されていない【性的同意】の認識が、罪名を見たときに ある程度 予測出来るということ。
また、Noと言えなかった場合でも、立場を利用していたり、誤診をさせた場合等も処罰されるということが記載されているところが良かった。
<改善点>
❶誤診をさせようとしなくても、被害者が誤診した場合
Iの2回目の被害は23歳のとき、70~80歳の男性に「モーテルに行こう」と言われ、モーテルの意味が分からず、喫茶店の名前だと勘違いしてしまった。
その場合、レイプになるということが証明できるのか。
今回の改正で、被害者が誤診と分かった時点で「NO」と言えばレイプになることは分かるが、自分の落ち度だと考えて言えなかった場合は、この改正では まだ罪に問えないのではないだろうか。
【性的同意】から進んだ【積極的なYesのみがYes】という「積極的同意」がありますが、そこから さらに進んだオーストラリアの「enthusiastic consent(熱狂的同意)」のような、
きちんと相手に性行為だと分かる性的同意をとらないといけないことや、行為中でも継続確認行為が必要なのではないだろうか?
➋時効は5年延びたが、そもそも時効自体がいらない
時効は被害者を一生に渡って苦しませる元凶である。
❸買春者の罰則が必要。
北欧モデル等の導入の必要性
(※北欧モデル=平等モデルとも言われる:売り手である売春側を非犯罪化し、保護・支援の対象にし、売春側・業者等を処罰の対象にするもの)
❹児童買春は現行で「5年以下の懲役または300万円以下の罰金」、児童買春の周旋が「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはその両方」だが、刑が軽すぎる。
少なくとも不同意性交罪よりも重くすべき。
EX. 児童買春:不同意性交罪の1.5倍の7年半以上の懲役。
児童買春の斡旋:2倍以上の10年以上の懲役。
We(わたしたち)大人は、児童買春をこんな軽く扱うべきではない。
そんなことで良いのか。
絶対ダメなのだと 大人が率先して、見せていかなくて どうする。
❺親からのレイプを同じ不同意性交罪にするのは、刑が軽すぎる。
名称もこれでは不十分。
親やシブリングス(性別を問わない きょうだいの意味)は同意があっても処罰すべき。
EX. 親(実親・義親)からのレイプは悪質なため、不同意性交罪の2倍の10年以上の懲役
EX. 不同意性交罪より悪質だと分からせる名称に変える。
❻シブリングス(きょうだい)や親族からのレイプも刑が軽すぎる。
シブリングスも親同様、同意があっても処罰すべき。
EX. 1.5倍の7年半以上の懲役。
また、親族からの被害の場合は、性的同意は20歳以上で、5歳以上年上の相手などの規定もいらない。
【親】【シブリングス(きょうだい)】【親族】からの被害は「より重い」と分かる不同意性交罪と違う刑罰の記載があるべき(刑罰名自体を変えるとか)。
❼被害者が知的障害や精神障害等があると、無罪判決が出過ぎる問題
フラワーデモのきっかけとなった4件の無罪判決のうち、1件は被害者に軽度の「知的障害」があり、そのため この1件のみレイプ自体が疑わしいとされた。
静岡地裁:12歳実子へのレイプ【2019年3月28日 判決:無罪】+児童買春、児童ポルノ禁止法違反【判決:罰金10万円】
被害者は 小学5年生のときから繰り返し レイプ被害に遭ってきました。
被害者の軽度アスペルガー症候群があることで、信ぴょう性が問われ、無罪。
(性暴力の加害者は生涯に平均380人、児童への性暴力加害者は1000人以上の被害者を出していると言われています。
これはレイプが含まれていない性暴力加害も含まれていると考えられます。
児童への性暴力加害者はレイプをしていないことを誇って話すことが多く、このような加害者はレイプをしていない可能性が高いとされる。
また、Iが性犯罪被害者支援の会社をしていた時、「1人のレイプ犯が捕まると60人の被害者がいる」との記述をアメリカと日本のデータで見たことが あります)
EX. 仮に他で同じ加害者が捕まった場合、上記のケース(被害者が知的障害や精神障害があり、それを理由に無罪判決が出たケース)は、一事不再理の適用外にする。
(※一事不再理とは、刑事事件の裁判について、判決が確定した場合、再度心理を許さない刑事手続き上の原則である)
実子へのレイプの場合、他の子どもへの被害はないことが多いようですが、仮に同じ被告人が新たに捕まった裁判で有罪判決が出た場合、【知的障害や精神障害がある被害者の無罪判決】を有罪にし、加算する。
また、無罪判決が出ていたものについて、民事裁判の手続き費用の一切を国がもち(弁護士代と印紙代等)、民事裁判を起こすことが出来るものとする。
すでに民事裁判が行われた後である場合、その手続き費用を国が出し、被害者がその判決に不服の時は、国が費用をもち裁判をやり直すことが出来るようにする。
❽「痴漢」 強制わいせつ罪→不同意わいせつ罪に変更
痴漢は各地方自治体によって、➀不同意わいせつ罪➁軽犯罪法1条5号➂各 迷惑防止条例に分かれるが、「再犯防止プログラム」のようなものを加害者にうけさせられるのは➀不同意わいせつ罪のみ(受けられる県自体も少ない)
➀不同意わいせつ罪 6月以上10年以下の懲役
➁軽犯罪法1条5号 1日以上30日未満の拘留または1000円以上10000未満の支払い
➂各 迷惑防止条例 東京都の場合は6月以下の懲役または50万円以下の罰金
➁と➂は刑が軽すぎることと、名称が不適切。
➁痴漢の被害は重いもので、「軽犯罪」という名前はおかしい。
(被害者への名誉を傷つけるのみならず、女性すべての蔑視への表れである)
➂「迷惑」というのも、痴漢被害に不適切。
痴漢や盗撮は「性依存」というアディクション(依存症)です。
痴漢の罪名は➀に統一するなどして、服役中は(どの刑務所でも)再犯防止プログラムを長いスパンで受けさせるようにする。
刑に服している時は、ノルウェーのように性依存の服役者を集めて講習や対話を重ねる。
<加害者に受けさせる講習のアイデア>
EX. 服役中は週2回の講習、服役後は5年以上に渡って1か月に1回講習を受ける。
(通常、人の歪んだ認知が変化するのに、平均5年かかるとされているため)
服役中は再犯を出来づらい環境におかれているが、服役後はターゲットが身近にいて再犯を出来る状況なので、必要な者にはオンラインで性依存の講習を毎日でも受けられる等、加害行為をしそうな人を国が率先して安心させる環境作りを整備する必要がある。
再犯防止プログラムオンラインは性依存で服役経験がある人と、性依存で悩む人、「当事者」のみの参加にする(加害者への偏見で酷い事を言う人がいるため)のはどうだろうか
❾日本では刑罰を合算(加算)できない。
レイプ以外に薬物が使われたり、映像をとられたり、詐欺にあったり、多数の被害者がいるなど、欧米を中心に刑が加算され100年以上になることもあります(併科主義)
日本でも、レイプ以外の刑が罪状としては、併記されるように変わってきているようです。
併記されることは、まずは大切なことです。
しかし、結局、罪として加算できていません。
レイプ以外の罪も重たいものです。
それを加算しないので、被害者は理不尽と一生たたかう羽目に陥っています。
Iの1度目の被害では、レイプ以外に「睡眠薬を飲まされた」「仕事の依頼をされたが、料金は払われていない」「裸の写真を撮っていた」「その写真がパソコンに取り込まれてあった(流出している可能性大:被害者側に流出している証拠を探させるのではなく、流出していない証拠を加害者が提示できない時は有罪と言う風に変えるべき)」「ゴキブリだらけの部屋でレイプされた」などがあります。
その後、被害に遭ったことで「PTSD」「2度の自殺未遂」「五点拘束」「仕事につけない」「仕事が続かない」「2チャンネルのようなサイトで、一般人からの面白半分の酷い書き込みが20年消されなかった」などが あります。
これらはレイプ以外ですが、深刻なものばかりで、【罪にならない】【罪として加算されない】のは理不尽です。
➓刑事裁判で、被害者本人が「求刑」を出せるようにする。
(被害者が望む場合のみ、「検察からの求刑」にする)
被害者が言いたいことが言えること、特に求刑は何よりも大切なことです!!
そして、裁判時に被害者と検察官が横にいる配置はよくない。
まるで、検察官が見かたのように見える。
被害者は「加害者を一生刑務所にいれておいてほしい」と望む人が多い。
しかし、検察官は「求刑5年です」などと言う。
このように被害者の思いと、検察の求刑に すごく隔たりがあり、被害者の横の検察官が求刑を言うことで、加害者や一般人から見て、まるで被害者が望んでいることのように見える。
【被害者+検察官】 VS 【加害者+弁護士】に見える配置は考え直すべきである。
➀裁判官➁検察官➂【被害者+弁護士(被害者にも国選弁護士をつけるべき)】➃【加害者+弁護士】という4角形の配置にして、検察官と被害者を離すべきである。
⓫ 遡及処罰の禁止はいらない。
この刑法改正で時効が延びたため、すぐに被害者が弁護士に話し合いに行ったが、やはり犯行時の法律が適用されてしまい、訴えることは出来ませんでした。
しかし、それだと法律施行前の被害者は一生苦しむ羽目になります。
※遡及処罰の禁止とは、過去の行為を後からできた法律で罰することを許さない原則である。
⓬レイプ被害の場合【精神科医がレイプ被害をPTSDかどうか判断すること】そのものを考え直す必要がある。
レイプに遭って、心に被害を得ない人はいない。
精神科医がレイプ被害者がPTSDになる確率を審査するのはおかしい。
せめて、被害者本人が「自分はPTSDではない」と言った場合のみ【PTSDではない】で良い。
⓭裁判をしないと、加害者を公に言えない風潮をやめるべき
裁判なしで、性加害者の名前を暴露したい。
今の状態は裁判しても、公に言えない雰囲気さえある。
Iのレイプ加害者の名前は清水秀文(ラフィネ社長)と細野壽雄(被害当時、川口商工会議所会頭で、けっこうな年齢にお見受けしましたので、今は亡くなっているかもしれません)です。
この2人に対して、訴えたことや裁判をしたこともありませんが、性暴力加害者の名前を出せないのは悔しいです。
7月13日に加害者の名前は放映はされませんでしたが、メディアの前で【清水秀文とその人物がラフィネの社長であること】を言いました。
フラワーデモ神戸の参加者で、7月13日の放送を見た方々から、「良い事を言っていたのに、ほとんど放送されなかった」「メディアは加害者の名前を出してほしかった」と言われ、気持ちを分かってもらえて、とても嬉しかったです。
(ラフィネのホームページで、清水秀文は女性への応援のためからラフィネをはじめたと書いていました。
「マッサージ師の女性を応援することと、疲れている女性をマッサージを通して応援している」のだそうです。それを見て、吐き気がしました。
Iのことは、手首をつかみ、こちらが嫌がっても無言で手を引っ張りラブホテル(たぶんホテルではなく、ラブホテルだと思う。1階で抵抗したが、そのままホテルの受付はなく部屋まで引っぱっていかれたので)に連れ込み、下着をとり、すべて無言で射精までしました。
それまで、日本人だから当然に日本語で話していたのに、急に手首をつかんでからは、日本語が全く理解できない海外の人のように、こちらの「やめて」の意味が伝わらなかった。
そこからは女をまったく人扱いしてなかった。
その後、泣き崩れるIに「お金は?」と言いました。最低な人間でした。
細野壽雄も、女を人扱いしない人間でした)
⓮法律の性差別表記
法律では「男女」「子女」「両性」「少年」等の言葉がよく使われますが、並びに酷い女性差別がある。
また、性別二元論以外の性的マイノリティが除外されている言葉で、大問題である。
筋力が弱い性を先に書くことで、弱者に配慮するメッセージになる。
「男女」という言葉を使う社会は真逆で、強者にまかれる(長いものにまかれる)社会構造だと生まれたときから刷り込みを与えてしまっている。
この場合、ジェンダーという言葉は包括的(全てをひっくるめた言い方)になってしまっていて、「弱者に配慮する」ということを気づかせることが出来にくいのです。
「女・クィア・男」の並びが望ましい。
フリガナで「ジェンダー」とするくらいのことはあって良いと思う。
漢字にも女性差別が現れているので、Iは新しい字「いろは」を考えた。


平等の「平」に「一」「二」「三」を加えた字で、筋力順にしている。
3文字で、ジェンダーと読ませるのはどうだろうか。
そのまま「いろは」と読み、「全性(全性別)」という意味にしたり、「ぜんせい」と読ませても良いと思う。
<おわり>
・性的マイノリティ当事者のかたで、
『LGBTQ+のように英語表記だけでなく、「両性」は性別二元論になってしまっており、日本語表記でも「中性」「無性」「不定性」という言葉を含めたい』というかたがいます。
・子どものころに被害に遭った当事者のかたは、「小児性愛」ではなく、「小児性欲」という言葉の方が適切ではないかと言います。
このように、当事者のかたは、それまでマジョリティ(シスジェンダーでヘテロセクシャルの男性)が作り使ってきた酷い差別言葉に拒否反応があります。
・日本以外の国は、他の国を先にもってくることや、相手を先に言うことが多い。
日本の悪しき例:「日韓」→韓日、日米韓共同訓練(日本を先にあげ、その後利害順や忖度でアメリカを前にする。)→韓米日(他国を先にし、その国の規模などで弱い方を優先することが必要)
英語の話し方の例:「you & I」「Black & White」「mom and dad」
たとえ性的マイノリティ、小児性欲の被害者、女性自身であったとしても これらの言葉に拒否反応のない人は、差別に加担しているのです。
Comentarios