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帝王切開

  • 她他后敬子(たたうしろ すきこ)
  • 1月12日
  • 読了時間: 5分

更新日:1月12日

2025/01/12


<帝王切開で傷ついたこと>



①「日にちや時間が分かるから良い」と励まされる。


②「痛くなくて良いよ」と励まされる。


③「案ずるより産むが易し」と励まされる


④「産道を通るときに母親の免疫が受け継がれる」と医師がテレビで言っていた、


⑤「自然分娩だった子は強い」という人が結構多い。


そもそも自然分娩という言葉も「帝王切開」との差を生みすぎでいるので変える必要あると思う。


⑥帝王切開後、ケアは赤ちゃんに注がれ、母親は出産をする機械のようで、人間扱いされていない現状に病院側は気づけていない。


⑦大きな傷が残る


私の場合は埋没法という傷を体の中に埋め込む方法を試しても無駄で、ケロイドになる体質でした。


もちろん傷が残りにくいテープも試しましたが、無理でした。


傷も素敵と言う人もいるが、もちろんそれはその通りなのですが、ただ体に大きな傷がついていることを残念に思うことくらい当たり前だと思う。

赤ちゃんが生まれてきた素敵な場所だと考えられるようになった母親の話などを聞くことがありますが、ポジティブにとらえられる人が良いわけでも、そう思える過程が良いわけでもないはずです。




「プラス思考でいこう」という考えや言ってくる人が時々いますが、「プラス思考」ということ自体が精神的に虐待的であることを知ってほしいです。



⑧一度目はそんなに大きな開腹をしてどうなるのか不安であるし、2度目は1度目の切腹(回復)の痛さも分かるから、それも怖い。

また、大きな切腹の後、またそこを切腹する恐ろしさもある。


1度目より、更に癒着の危険があることと一生 孤独に闘い続けなければいけない。





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この8つのうち、「痛くなくて良い」と励まされることについては反論しようと思います。



背骨に太い針で麻酔されて、痛み止めの麻薬(麻酔)の機械を通します。


これは術後あまりにも痛いので、自分で麻薬を打つために背に機械をとりつけるのです。

背なので見えないのですが、たぶん、背骨に機械の針を刺しているのだと思われます。


お腹を10センチ以上切り開く手術をした後、赤ちゃんを取り出します。


その次の日からめちゃくちゃ痛いのに、約3キロの動く生き物・・・つまり赤ちゃんをお腹の上に乗せて、母乳を与えます。


母乳はお母さんの血液から作られています。

回復手術後に定期的に赤ちゃんに輸血を行っている状況です。


この行為に痛くなくて良いと言えること自体が、日本では女性への配慮が欠落していることを意味しています。




仮に帝王切開ではなく10センチ以上の麻酔ありの開腹手術のみだったり、切腹した人に、痛くなくて良かったねと声をかけるでしょうか?


それならなぜ、そこにいる女性には言えるのでしょうか?


言った人が傷つかない、不利にならない環境が家父長制により、今も続いているからです。



「帝王切開」が日本で初めて行われたのは、江戸時代 黒船が来航の前年、今の埼玉県でした。


日本初の帝王切開は、3日間陣痛に苦しんだ30代だった本橋みとそじん

胎内で胎児は亡くなってしまい、母体が危険な状況に陥りました。


本橋は 麻酔なしで、日本初の帝王切開をうけることになります。


本橋は 感染症に苦しみますが奇跡的に亡くなりませんでした。

しかし19世紀まで半数の女性が手術後に亡くなっています。


腹を大きく切るのですから。




たとえ現在、麻酔をしたとしても、そういう恐ろしいことだと手術する本人は分かっています。


切腹と同じ行為で、体にはとても大きな負荷がかかっているということを。


それなのに、「痛くなくて良いよ」と励ますのは、想像力が欠如しており、適切ではないのです。




私の場合は開腹したまま、縫わないまま、赤ちゃんと写真を撮りました。


それは、私には自分が人間扱いされていない恐ろしい時間でした。


これを2度目の帝王切開前に病院に伝えると、おかあさんが赤ちゃんと一番最初に触れ合う人であるためのお母さんのための「何とかケア(横文字)」だと、説明されました。


少なくとも私の場合は、母親である私本人が感じていることと、病院側がお母さんの気持ちを推測するケアがかけ離れていると感じました。


少なくとも、手術前に、帝王切開後縫わずに写真を撮りますという説明が必要です。



また、多くの病院では帝王切開後、お母さんのお腹を縫うためか赤ちゃんは先に別室に連れていかれ先に家族や色んな人が抱っこした後、手術後のお母さんの元にくるそうです。


最初に抱くのは産んだ自分だと思っていたのに残念だったと思っているお母さんが沢山います。


私の出産した病院のようにお腹を縫わないまま写真を撮るということが、手術のリスクにならないのなら、母親本人に手術前にどうしたいか聞くべきではないでしょうか?


もちろん、術後の状態で医師が判断することが前提です。



母親を先に縫うにしても、お腹を縫わないまま赤ちゃんと写真を撮るにしても、母親本人に全く聞かずにするということは、ケアという名の押し付けがなされていることに気づいてほしいです。


お母さん本人に、縫ってから赤ちゃんと写真を撮るか、抱っこや、抱っこは体力的に自信がなくてもまず赤ちゃんと会わせてほしいのか、その選択肢を聞くことが必要ではないでしょうか。


そしてどの選択肢を選んでも、その母を責めないことが必要です。









他のことも論破することが出来たらどれほど良いかと思いますが、論破できないことが多いでしょうし、実際 どちらかの出産方法の方が赤ちゃんに良いこともあるでしょう。


だからこそ、ただ、産道を通るときに母親の免疫が受け継がれるというような言葉だけでは、多くの帝王切開をした人を傷つけているのだと知ってほしいです。



そこにいるお母さんは産み終わった機械やモノではなく、【赤ちゃんと同じか、それ以上にケアを必要としている人【術後、より不安になっている人】【一生にわたって癒着の危険を感じて生きる人】なのです。



 
 
 

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